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大阪桐蔭野球部の強さの秘密は監督の練習外の活動にあった

      2016/03/11

近年の高校野球で強豪校を挙げるとすれば、まず名前が挙がるのが大阪桐蔭高校である。甲子園大会に出れば必ずと言っていいほど上位に進出。特に平成20年からの活躍は目覚ましく、ましてや全国での最激戦区の大阪予選を勝ち上がっての快挙である。その強さの秘密は何なのか。それを調べる中で、練習外のところでで西谷浩一監督自身が行った改革と行動が見えてきた。それを紹介していきたい。

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下級生が上級生の世話をする制度の廃止

1991年夏に大阪桐蔭が初の全国制覇を成し遂げた。当時監督の長沢和雄氏に誘われて1993年西谷浩一さんは大阪桐蔭のコーチに就任した。1度目の全国制覇のあと、大阪桐蔭は激戦区大阪で勝ち上がれない時代が続いた。そんな中、西谷さんは長沢監督にチーム改革を託された。

寮生活で鍛える全国の強豪校でよく見られるのが、下級生部員が、上級生部員の雑用をこなすことである。上下関係を学ぶ上でプラスの面もあるが、西谷さんはその制度が野球部の成長の大きな弊害になっていると考えた。

「下級生に上級生の世話をする時間があるのなら、自分のために練習する時間を与えたい。」という考えからである。下級生にも上級生と均等に練習時間を与えれば、埋もれた素質を早期に発見できる。また、下級生が活躍することで競争意識が生まれ、相乗効果につながると考えた。しかし、今まであたりまえに行われていた、ある意味伝統を壊すことは上級生の反感をかった。それでも西谷さんは根気よく説得したという。

野球日誌

今では数多くの指導者が取り入れている部員との交換日記である「野球日誌」であるが、西谷浩一監督もコーチ時代から取り入れ、現在でも続いている。

1998年秋、長沢和雄氏から監督を引き継ぎ、野球日誌によって選手たちの心情はわかっていたつもりであった。だが2年生部員による1年生部員への暴力が発覚する。

「それぞれの選手に対応してきたつもりだったが、うまくいかなかった。監督としての力が足りなかった。選手をがっかりさせたし、応援してくれた人に申し訳なかった。」

西谷浩一監督はこう語り、部員の心情理解の大切さを痛感した。そして、たとえベンチ入りしていない選手であっても彼らとのコミュニケーションも大切にしたい、監督とすべての選手が一つになってはじめて強くなれるという「一球同心」のポリシーが確立された。

スカウト

大阪桐蔭の部員は1学年20人程度の少数精鋭である。ただ、その部員をスカウトしてくるのが西谷浩一監督自身である。監督をこなしながらわずかな時間を使ってとびまわっている。

西谷監督のスカウトしてくる選手のタイプにもこだわりがある。ただ、甲子園に行きたいとか自分のためでなく、どれだけチームのために自分を犠牲にできるかどうかが判断の最大のポイントとしている。どれだけ能力に秀でた選手がいても、チームに合わないと思えば入学を断る。

「チームのために働ける選手」の獲得。これは前途した一球同心にも繋がり、大阪桐蔭の強さを支える大きな要素なのである。

一球同心

このような練習外の努力が実り、大阪桐蔭高校野球部は春夏連覇を含む5回全国制覇を達成するなど全国でも知らない人がいないくらいの強豪になった。

もちろん、全国制覇を成し遂げたのは厳しい練習の賜物であることは間違いないのであるが、グラウンドの外での監督の努力が大阪桐蔭の強さの秘密であると思う。

一球同心という部訓を掲げ、それが浸透することによって劇的に変わったことがあるという。

夏のメンバーを発表した後、メンバーから外れた選手がよくやってくれるチームになったのだという。10年ほど前まではメンバー発表が終われば、そこから外れた選手は寮を出るのが決まりだった。それはメンバーから外れて気持ちも落ちているだろうから実家から通わそうという西谷監督なりの計らいであった。

ある年、その年代のキャプテンが西谷監督に言ったという

「メンバー発表が終わっても、3年生全員を寮に残してほしい。監督はいつも、1つのボールに皆が同じ思いになれ、『一球同心』と言われてるのにメンバー外の3年生が寮を出たら、一球同心が本物にならないと思います。」

それ以来、メンバーから外れた選手が「チームのために何かやらせて欲しい」と自ら言ってくるようになった。監督が一番してほしい相手チームの偵察なども進んでこなした。メンバーから外れた選手が偵察にいったとなると、メンバーの選手もそれを無駄にしまいと燃えた。

西谷監督は言う

「試合に出てない選手の力がいかに大切か、その選手の智からが関わってきたときに、チームは本当の力を発揮するのだと改めて感じました。」

西谷浩一監督が練習以外のところで積み上げてきた想いと信念が選手に伝わり、選手全員で戦いつづけていけば、これからも大阪桐蔭の快進撃は続くに違いない。

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