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高校野球観戦記~小豆島を湧かせた19人のヒーロー~

      2016/03/23

球場全体がまるで故郷の島のようだった。甲子園で戦った小豆島高校野球部は選手17人とマネージャー2人の19人である。19人の小豆島高校野球部を応援で後押ししようと、3500人の大応援団が甲子園に駆けつけた。

21世紀枠対決となった釜石高校との対戦。惜しくも2-1で敗れたが、笑顔を絶やさず、大舞台で野球を楽しむその戦いぶりは島民にも高校野球ファンにも強い印象を残した。投手戦となった21世紀対決の勝負所と感想を書いていきたい。

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同じシチュエーション

釜石の岩間大投手がコースをつく丁寧なピッチングで3回表に初めて小豆島打線を3者凡退に抑えた三回裏、先頭打者がヒットで出ると、小豆島、長谷川大矩投手の牽制球がボークを取られた。労せず二塁に進んだランナーをきっちりバントで三塁に送り、1アウト三塁の絶好の場面を作る。

様々な形で得点が狙えるシチュエーションで、釜石1番、佐々木航太選手は初球でスクイズを狙うも、ファールになる。その場面で釜石、佐々木偉彦監督は佐々木選手に対して親指を立てて「いいよいいよ」と笑顔で励ます。一つボールを挟んだ3球目をつまりながらも開かない見事なバッティングでセンターにはじき返して先制点を奪う。

直後の四回表、小豆島の先頭打者が二塁打を放つ。バントできっちり三塁におくり、1アウト三塁と奇しくも三回裏の釜石と同じシチュエーションをつくる。このピンチを釜石、岩間投手がアウトコースを使った上手い投球で空振り三振にとる。後続も外野フライに抑えられ小豆島は絶好の同点のチャンスを逃す。

同じシチュエーションでしっかり1点を取った釜石、取れなかった小豆島。この1点が小豆島に最後まで大きくのしかかる。

五回表のチャンスロス

小豆島高校は絶好のチャンスをもう一つ逃していた。五回表、先頭打者がヒットで出て、バントでしっかり二塁に送る。1番バッターがライトフライを打った時に二塁ランナーがタッチアップで三塁に進む。この間、釜石はライトからの中継を内野手がファンブル、完全にボールを見失う。

ホームを狙えるタイミングに見えたが、三塁に進んだランナーが自重する。続く打者が内野ゴロで倒れる。ランナーコーチの声が大歓声でかき消されたのか、またはランナーコーチが内野手のファンブルを見逃したのか、いずれにせよ小豆島は絶好のチャンスを2度逃すことになった。

一歩及ばずも野球部員が島に残したもの

八回に追加点を奪われ、後のない九回表、執念の攻撃で1点差まで追い上げたが、あと一歩及ばず小豆島の甲子園での戦いは終わった。

釜石・岩間投手、小豆島・長谷川投手の息詰まる投手戦は、少ないチャンスを確実にものにした釜石に軍配があがった。

長谷川投手は本当に好投した。エラーした内野手に笑顔で励ますシーンが見られた。8安打を浴びたが、連打は許さなかった。私が印象に残ったのはエラーした後輩の内野手に笑顔と仕草で、「楽しめ」と励ましているように見えたシーン。「エンジョイ・ベースボール」を部訓に掲げる小豆島の象徴のような選手だと感じた。

選手達はエンジ色に染まった大応援団を見てどう感じただろうか。主将の選手宣誓にもあったように、応援してくれる人が居るという「当たり前にある日常のありがたさ」を強く感じたと思う。そして「支えてくれている人々を笑顔に」と必死で戦っていたと思う。

小豆島高校野球部では小学生に野球部員が指導する「小高ジュニアスポーツクラブ」を開催している。甲子園で活躍する選手たちを見た子供たちは自分たちもあの舞台に立ちたいという思いを強くしたであろう。

小豆島高校野球部の記事はこちら

来年の春、統合されて高校名が変わろうとも、今大会で皆の記憶に残った小豆島高校の名前は消えない。ずっと島民の心に残り続けるであろう。これだけの人達に応援してもらえる、小豆島高校野球部は島のヒーローなのだから。

また多くの人に支えられて、夏に向けての戦いが始まる。頑張れ小豆島高校野球部。

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